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この指標雨量としては、これまでに、消防庁、建設省等により、いくつかのものが示されています。しかしながら、これらの指標雨量は、前1時間雨量、前6時間雨量、前24時間雨量、実効雨量等を用いるものであることから、市町村職員等が雨量計から降雨データを読み取り、計算し、これらの指標雨量と照合していたのでは迅速性・継続性に欠け、結果として避難の勧告・指示等の意思決定が遅延するおそれがあります。

このようなことから本研究開発では、平成10年度の成果を受け、警戒時においては管内だけでなく近隣市町村及び消防本部等の観測雨量データをもとに土砂災害の接近状況を予測し、平常時においては効果的な意思決定訓練等に活用できるシステムを開発することにより、土砂災害に対する市町村等の警戒避難活動を支援しようとするものです。

 

2. 内容

以下の機能を有した「土砂災害危険予測システム―広域運用システム―」を開発しました。

(1) 管内だけでなく、近隣市町村、消防本部、関係団体等の観測雨量データを収集・処理し、土砂災害危険度に応じた対策の提示を自動化する機能

(2) 管内での観測雨量データ及び全国各地の豪雨災害時の雨量データから当時の土砂災害の接近状況を時間を追って再現させる機能(再現シミュレーション機能)

(3) その他、土砂災害に対する市町村、消防本部等の警戒避難活動を支援するために必要とされる機能

 

 

 

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