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はじめに

 

本書は、(社)日本インターナショナルフレイトフォワーダーズ協会(JIFFA)が、各国関係機関並びに会員各位の協力のもと、「東欧・ロシアの物流事情」について調査した報告書である。

調査対象地域のうち東欧からはポーランド、チェコ、スロバキア及びハンガリーの4カ国を取り上げた。これら諸国では近年において、民営化の進展と西欧諸国からの資本導入などにより経済改革が進み、購買力の向上や消費の拡大がみられる一方、西欧の生産拠点への部品供給基地として高い評価を得るまでに発展してきた。現在、日系企業もこれらの環境整備に着目し、家電・エレクトロニクス、自動車及び同関連部品の製造業を中心にハンガリーの50社を筆頭に、ポーランド34社、チェコ33社、スロバキア6社が進出するに至っている。

次に東欧に隣接するロシアは、その経済回復は遅いものの欧米諸国から巨大マーケットとして注目されている。わが国にとっては、日ロ政府間でシベリアランドブリッジ(SLB)の活性化など、物流対応と投資促進など協力関係強化が確認されたことから、改めて市場性が見直され、商社ならびにフォワーダーの関心が高まっている。

これら東欧・ロシア諸国への輸送は、主にEUのメインポートから自動車、鉄道を利用した陸上輸送が一般的であり、欧州系フォワーダー(主にドイツを基盤とした企業)が、ほぼ独占して取扱っているものと考えられていた。

今年度は、日系フォワーダーが未開発のこれら輸送ルートに着目し、今後日系企業の進出増加が期待される前記5カ国を対象に、「フォワーダー業務」、「輸出入貨物のアクセス」、「輸出入通関」など、フォワーダーの立場にたって物流事情を調査することとした。同地域との国際複合輸送システムの構築、ひいては貿易関係の一層の強化、促進に資することになれば幸いである。

最後に、本書の調査、編纂にあたり、(株)日通総合研究所及び数多くの関係者の献身的なご協力、特に貴重な情報をご提供いただいた各国フォワーダー協会及び下記会員企業には、深甚なる謝意を表したい。

 

(株)アイティエスジャパン  東海運(株)  伊藤忠エクスプレス(株)

ジャパンインターモーダルトランスポート(株)  ダンザス(株)

(株)日新  日本通運(株)

 

平成12年3月

 

社団法人 日本インターナショナル

フレイトフォワーダーズ協会

NVO委員会

 

 

 

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