日本財団 図書館


インドネシアの場合は、東ティモールが独立するというのは、かなり意味があって、彼らは共産主義だって宣言していた。僕は、戦後すぐインドネシアの小学校の読本とか読みましたら、共産主義の国だって書いてありました。それと、600年前から一つの国であったとか、いろんなことが書いてありました。ただ、共産主義を非常に宣伝していました。

しかも、あそこは、それよりもっと大きいのは、そういう宣伝だけではなくて、インドネシアはいろんな所を占領しているでしょう。島がたくさん、300ぐらい島がある。今、問題になっているアチェとか、イリアンジェアとかいうのは、今でも独立運動があるんです。特にアチェが非常に問題になっている。飛び火してしまう。

東ティモールの独立がそっちにも飛び火するという、そういう恐れがあったんです。それで独立させなかった。それが一番大きかったかと思います。ただアメリカなんか、別に何にも関係がない。どうしてアメリカがインドネシアの味方をしたのか、よく分からない。ただ、あそこが船の通る航路になることはなるんです。大した意味はない。ほかを通ったっていいんだから。それもあまり意味がないと思うんです。

それから、初め社会主義圏は割と東ティモール独立に賛成があったんだけど、非常に薄い賛成です。あまり熱心な賛成ではなかった。中国やソ連やあの辺は、非常に薄い賛成だった。やはり途中からEUが非常に濃い賛成になってくるんです。だんだん違ってくる。それからASEANは逆に全部インドネシア寄りです。それから、日本が援助しているところはインドネシア寄りというふうになっていくんです。不思議なものですね、世の中は。

どうぞ御質問ください。僕は何も考えないで来たものですから、申しわけなかったですね。

B もう一つの質問。食っていけるか、やっていけるか。

貴島 ああ、やっていけるか。それと東ティモール海の石油の問題ね。これは、僕らが戦争で行っているときも、南のオスとかビケケというところへ行くと、現地の人が黒い水が出ると言っていたぐらいですから、かなり出ることは間違いない。それで、7、8年前にオーストラリアとインドネシアが提携して、日本石油も入りますが、東ティモール海というところの石油を掘ることを契約するんです。それで、かなり出るということは分かっているんです。その契約がおかしいんじゃないかというので、僕は国際司法裁判所にポルトガル政府を通じて訴えさせて、国際司法裁判所の副裁判長の小田誠に話をしたんです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION