3. 質疑応答
司会者 どうも小原さんありがとうございました。基本的には銀行の行動としては変わっていないというオブザベーションに基づいて、もう一段の処理が有り得るというプロヴォカティブ(provocative)なお話であったかと思います。
時間の許す範囲で自由にご討論いただきたいのですが、ちょっとすみません。モデレーターとしてお願いなんですが、Bさんは9時すぎぐらいに席をたたれるんですよね。それとA先生は、確か先週、柳沢さんとあるところで対談されたんですよね。
A もう大分前です。
司会者 そうですか。もし差し支えなかったら先にBさんにちょっとコメントをいただき、A先生から金融再生委員会の話を少ししていただいて、それでキックオフということでお願いします。
B 恐れいります。大変興味深いお話をありがとうございました。今おっしゃったようなことで、私もときどき海外に行くのですが、この間もあるイタリーの銀行のアルバイター会議のようなもので、レモン・バーンズというフランスの批評家が「日本の金融マーケットはゴールドマイン、金鉱だ。しかし、日本の銀行にはそれを掘る工具がないんだ」と言っていました。(笑) つまり、向こうの人たちからしてみると、やはり日本の金融マーケットというのは非常においしそうなマーケットだと思うが、今のままではとてもそれはだめだというわけです。今おっしゃったようなこととほとんど同じようなことを言っておりました。
私が以前ある会社におりましたときに、日本の銀行の方と外国の銀行の方に、例えば資金の運用をどういうふうにしようかというような相談をすると、日本行からは1つか2つの案が出てくる程度ですが、外国の銀行からは、もちろん判断はこちらがしなければなりませんが、いろいろな案が大体10ぐらいは出てきました。最近でもいろいろ聞いてみると、やはりそういうところの変化は全くないようです。今金融は高度情報技術産業になっているのに、全く変化がないという印象を皆さんお持ちのようで、私も今これだけ公的資金を注入して、これがいずれまた財政負担になってしまうのではないかと心配しております。
司会者 どうもありがとうございました。A先生お願いします。
A まず対談に関してコメントを1つして、そのあと質問をしたいと思います。柳沢さんとテレビで対談したあと、ちょっと話をしていて面白いこと言われましてね。