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3. 質疑応答

 

司会者 どうもありがとうございました。ちょっと後半急がせて申し訳ありませんでした。Q&Aのなかで、足りない分後半話してください。どうぞ、残った時間で自由にご議論ください。

A 国際通貨基金の難点などについて、私2つほど疑問があったのです。1つは結局融資規模が非常に拡大したにもかかわらず、その対応についてはどちらかというと2つの面でまずいかなと思うのです。1つは短期の資本移動を経済学の理論のなかで内政化して捉えるという観点が若干弱いのではないか。そのIMFのフレームワークをみましても、30年か40年前、私が大学の1年生のときに学んだヒックスのなんとかかんとかという本と似ているんですね。これ大丈夫かなという気がするのが1つですね。そしてそれが、今度は融資が拡大すると政治のほうが入ってきまして、主導国の米国の意志が、影響力が相対化されるという心配があるものですから、これはまた難しくなるのだと思うんですね。だから短期資本のものすごい拡大というものにどう対処するかについて、概念的な問題とそれから政治的な問題、アメリカをどういうふうに納得させるかという問題があると思います。

それからもう1つ、国際通貨基金は、改革要素がダイルートされるのが嫌だというのが、例えばアメリカで、日本人にいわせるとダバダバやって、国内の経済システムをいいように直せというコンディションをしっかりつけないで、いい加減になんかやっているというのが、非常に私の友人っていいますか、知っているアメリカでもオーストラリアでもなんでもいいんですが、そういうことが非常に多いのです。ところが、改革のこのリフォメインのものを、コンディショナリティーみたいなものをつけると、これはアメリカの繁栄というのは世界の開放的で、しかもなんて言いますか、安定的な市場がワッと栄えることにあると思っているアメリカ人が多いとすれば、ちょっとこの改革っていうのをつけないと、なんか日本の繁栄に結び付くみたいなダバダバってやだなあというのがあるので、これも私は2つの問題があると。まあ重要な問題だとすると、国際通貨基金の問題はかなり面倒な問題を抱えて、そこだけについてぜひともこれからも教えていただければ幸いだなと思います。どうもありがとうございます。

白井 すみません。論点を確認したいのですが。1つは国際資本移動の内政化ということですか。

 

 

 

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