注1) 調査1か月の活動状況
出所:Social Focus on Older People(1999)
6) 高齢者のボランティア活動
英国では高齢者がボランティア活動面で大きな役割を果たしている。1991年時点では、18歳以上の約半分が「フォーマル(組織を通しての活動)」なボランティア活動に参加しており、年齢層では25-54歳層でもっとも参加率が高く(約6割)、65-74歳では約3人に1人となっている。しかし、ボランティア活動に費やす時間になると、国民平均が2.7時間/週なのに対し、65-74歳では5.2時間/週と非常に多い(表13)。また1997年に実施された調査によれば、65-74歳層でのフォーマルなボランティア活動への参加は、ほぼ2人に1人の割合に増加しており、75歳以上についてみても、その割合は1991年の25%から35%に増加している4)。英国ではNPOがしっかり組織されているため、ボランティア活動の内容もNPOの理事や募金活動、イベントの企画やキャンペーン、高齢者の訪問、カウンセリング、運転手など、多彩な参加が可能になっている。また、ボランティア活動についての意識をみると、ボランティア活動は他者への支援だけでなく、ボランティア本人にとっても重要な意味をもつ活動であることが理解される(表14)5)。