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2 社会保障の老齢年金制度

 

(1) 拠出制老齢年金制度

 

フランスで1945年に社会保障制度が成立した時には、すべての国民をカバーする唯一の制度を導入することが目的とされた。老齢保険は1970年代に全国民をカバーするようになったが、もう一つの目的であった唯一の制度の方は未だに達成されていない。今日でも保険加入者の職種によって加入する制度が異なるために、フランスでは老齢年金制度が26も存在し、制度によって老齢年金の支給方法は異なる。また年金は加入者が働いていた間に支払った拠出金をもとにして支払われるために、支払われる年金額も画一ではない。

 

1]老齢年金制度の種類

制度の多さに加えて老齢年金の財源機関の数はさらに多いために、フランスの老齢年金制度はモザイク構造をしているといわれるが、類似した制度をまとめて大きく分ければ3つに分類することができる。すなわち公務員のための制度、民間企業で働くサラリーマンのための制度、自由業など非給与生活者のための制度という分類である。

 

図表21:社会保障一般制度の拠出率(1999年)

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注:社会保障拠出上限所得額:14,470フラン/月(1999年)

 

 

 

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