注:フランス本土
出所:Sesi
3 高齢者の医療ケア
〔医療ケア施設の収容能力〕
長期医療ケア機関のベッド数は約8万である。1986年と96年の収容能力を比較すると、長期医療ケア機関のベッド数は35%増加した。高齢者施設に設置されている医療部門のベッド数は、この10年間に、65,500床から137,000床へと2倍以上増加している。
老人ホームに医療部が備わっている割合は、公営施設の方が私営施設より高い。公営老人ホームでは、総ベッド数の45%が医療部扱いになっている。しかし私営老人ホームでは、非営利目的施設で26%、営利目的施設ではわずかに5%に過ぎない。なお集合住宅での医療部扱いのベッドの割合は3%である。
高齢者施設の医療ケア付きベッド数が増加したのに平行して、在宅入院サービスも普及した。在宅入院のベッド数は、1991年から96年にかけての期間には30%増加し、ベッド数は1996年には1986年当時の2倍の収容能力になった。1996年には、1,547のケア・サービス機関(70%は非営利目的の民間機関)が56,650床の在宅入院サービスを行っている。
医療ケアが行われる高齢者施設(長期医療ケア機関と医療部)の総ベッド数は、75歳以上高齢者1000人に対して57床に相当する。在宅入院ケアの収容能力は、75歳以上高齢者1000人に対して14.6床である(1996年)。すなわちフランスでは、75歳以上高齢者100人当たり7人が医療ケアを受けられる体制になっていることになる。