退院したばかりの高齢者が自宅で生活するまでの間、あるいは高齢者を世話している人が不在の時や(旅行、週末など)、自宅での生活が難しい冬季などに、高齢者が一時的に入居できる施設である。1施設当たりのベッド数は15〜25に制限されている。一般の高齢者施設に付属している施設と、臨時入所専用の施設がある。また要介護者も受け入れる施設と、自立した高齢者のみを受ける施設とがある。
(3) 在宅維持に近い施設
◆家庭入所(accueil familial)
報酬を受け取って孤児を育てる里子制度と同じように、一般家庭が有料で高齢者をホームステイさせる里老人システムである。県議会議長の認可を得た家庭のみが高齢者を受け入れることができ、一家庭当たりの高齢者を受け入れる人数は2人までに制限され(例外として3人まで許可)、寝室の広さ(単身者は9m2以上、カップルは16m2以上)、滞在費の上限などに関する規則が定められている。この形態は長期間だけではなく、数日から数ヶ月の一時的な滞在が必要な時にも利用できる。
数人の自立を失った高齢者が、家族のように共同生活をする住宅である。施設は、一般家庭が住む住居であるが(庭付きマンションなど)、内装は要介護者が生活しやすく、また介護ケアを行いやすいように改造されている。入所者には個室が与えられる。家には主婦役となる女性スタッフが交代で常駐するほか、介護を担当する看護婦も訪れる。
◆デイ・ケア・センター(accueil de jour)
昼間の間だけオープンしており、身体あるいは精神に障害がある高齢者を受け入れて、ケアやリハビリなどを行う施設である。高齢者施設に付属している場合が多い。