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第1部 中国・上海の高齢化社会事情

 

I 中国の人口高齢化とその特性

 

1. 中国の人口高齢化

中国国家統計局の統計によると、1998年末の中国大陸の総人口は12億4,800万に達しており、同年一年間の出生数は1,991万、死亡数は807万、自然増加数は1,184万で、出生率、死亡率はそれぞれ16.03と6.50であり、自然増加率は0.95%である。

また、同統計局の1999年10月1日の推計人口統計によれば、60歳以上の高齢者数は約1億2,600万で総人口の9.8%。65歳以上の老年人口は約8,800万で、ほぼ7%となっており、中国はいわゆる高齢化社会に突入したといえる段階にある。現在一般にも普及している1996年末の全国人口の統計で見ても、すでに中国の3分の1の省、自治区、直轄市は65歳以上人口割合(高齢化率)は7%を超える高齢化社会地域となっている。すなわち上海、北京、天津、浙江、江蘇、山東、湖南、広東、広西と四川の10地域では65歳以上の高齢者比率は7%を超えており、そのうち、最も高齢化率が高い地域は上海市で、12.4%(1998年末13.3%)である。遼寧、河南、安徽、福建等の省の高齢化率もほぼ7%の状況であり、総じて中国の東部、沿海地方で高齢化が進行している。

中国の将来人口については、1990年の第4回人口調査を基に推計したものが幾つかあり、その中で最も一般に利用されている人民大学人口研究所の推計によると、65歳以上の高齢人口比率は、1998年6.6%、2002年に7%、2028年に14%、2038年に20%と推計している。これを人口数でみると、65歳以上の老年人口数は2006年に約1億、2027年に約2億、2036年に約3億となると予測されている。また、年少人口と老年人口がほぼ等しくなるのは2030年頃で、その時の各々の人口は2億6,000万であり、それ以後は老年人口が年少人口を上回る構造になる。そして、総人口は今後約30年間に約3億ほど増え、15億5,000万をピークに以後下降し始める。

 

 

 

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