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普段着の近隣型助け合い講座 No.7

「わかるふくしネットワーク」主宰 木原孝久

「ハッピーな良縁」から助け合いがはじまる

 

東京・江戸川区に『江東園』という施設があります。最近流行の「合築」という発想で、一階は保育園と養護老人ホーム、二階は特別養護老人ホーム。この二階の寝たきり老人が歩き出したと聞いたので出かけてみました。

理由はまことに単純。保育園の子供が二階に上がってきて、ベッドの回りではしゃぎはじめた。するとおばあちゃん、その子らを抱っこできないものかと必死に立ち上がろうとしていたら、いつの間にか歩いていたというのです。一方の子供たちも卒園し中学生になってもおばあちゃんに会いに来るといいます。

この場合老人も子供も意図的に相手に何かしてあげようとはしていません。ただ一緒に居るだけで、結果として双方とも相手からいただき、また相手にあげている。私は「ハッピーな良縁」と名付けました。

近隣で「ボランティア」といった一方的なサービスは禁物。たいていはこんなハッピーな良縁で結ばれていると見ていいでしょう。だから近隣助け合いを仕掛けたいなら、「ハッピーな良縁」の関係を見つけ出し、両者をくっつければいいのです。たとえば千葉県大網白里町に住む早川節子さんの取った作戦は…。

 

 

 

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