公的介護保険とふれあい社会づくり
特集 公的介護保険制度を考える
全県を一〇エリアに分けて広域化と地域化を組み合わせる介護保険の「長野方式」とは?
平均寿命は男性日本一、女性同四位とトップクラスの長寿県である長野。ここでは全県内が一〇の生活圏に分かれ、圏域ごとに介護保険の実施準備に取り組んでいる。全県一つの画一的な広域運営ではなく、それぞれの圏域の実態に合わせて独自のスタイルで実施する――そんな「長野方式」の理想と現実は? 県東部に位置する佐久平を中心に現地を訪ねてみた。
取材・文/尾崎雄
*みすずかる信濃の国はいく筋もの山脈に分断されている。信州人は松本平、善光寺平、伊那谷、木曾谷、安曇野など盆地や谷に暮らしを営み、同じ県内でも地形、風土が違うように住民の意識や考え方も異なっている。
*「みすずかる」は万葉の時代から、信濃に関する枕詞として使われていた。「み」は接頭語、「すず」は篠竹(すずたけ)が信濃に多く産することから地名「信濃」にかけられているとか。