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そのほかにも事業計画の作成など、やらなければならないことが多く、事務所や車の中で寝泊まりすることもたびたび。肉体的にもハードでしたが、運営方法などについて一人で考えて決めていかなければならないことが多く、精神的にもきつかったですね。そんなときに、あるお年寄りの方にうどんを食べに連れて行ってもらい、"ウチに何か困ったことがあったら必ずあんたに頼むけん、それまでがんばんなはれよ"と励まされて…。いやあ、この時はさすがに涙が出ました。そして、準備作業にはきりがない。とにかくはじめてみようと、見切り発車ながら、活動を開始することにしたんです」

一九九七年十二月のことである。すでに退職してから九か月が過ぎていた。

 

1996年12月 在宅福祉サービス団体『泉北たすけあい』訪問。

1997年3月 14年間のサラリーマン生活にピリオドを打ち、団体設立を決意。

4月 設立準備作業を開始(在宅介護分野の研究、事業計画の作成、県内のマーケットの現状と動向のリサーチ、移送サービスの研究、パンフレットや事務関連の書類の作成準備等)。

6月 在宅福祉サービス団体『泉北たすけあい』再訪問。

11月 PR活動(延べ2000軒に至る在宅訪問を実施)。

12月12日 スタッフ3名にて、活動を開始。

1998年2月 数少ないスタッフが将来に対する不安を理由に離れていき、一人での再スタートとなる。

4月 投資組織を設立し、団体として活動開始。

6月 NPO法人(特定非営利活動法人)の認証を得る。

 

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身障者の方の移送サービスから在宅の方のお世話まで、幅広い活動をめざす。

 

 

専従でも生計を立てられることを示したい

 

設立当初こそ多少のつまずきはあったものの、半年後には月二○○時間、一年後には五〇〇時間、そして現在は一〇〇〇時間を超える活動実績を達成するなど、順調に地域に溶け込みはじめている『どりーまぁサービス』。山口さんも、「ようやく、ここに来てふれあい社会の実現に向けて、胎動を感じるようになってきました」とほほ笑む。

 

 

 

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