普段着の近隣型助け合い講座 No.4
「わかるふくしネットワーク」主宰 木原孝久
「開いた家」を中心にはじまる助け合い
私は以前から「家を開く」という活動のあり方に強い関心を持っていました。自宅を開放して近隣の子供やお年寄りのために日々の生活の中で取り組むというものです。
初めに出会ったのは子供向けの活動でした。たとえば川崎市のK子さん。「専業主婦だけでは退屈」と、自宅で小さなお茶屋さんを営んでいました。たまたま娘さんの誕生日のパーティに、習い覚えた影絵を上演したら「こんなにきれいなものがあるのか」と子供たちはビックリ。「おばさん、今度はいつやるの ?」と聞かれて戸惑ったが、結局彼らの熱意に負けて、K子さん宅で影絵作りがはじまりました。ところが彼らは影絵だけでは満足せず、「おばさん、○○をやろうよ」「今度は△△を」と迫ってきます。
主婦業とお茶屋の合間の活動では大変だろうと思うでしょうが、そこはよくしたもので、彼女を支える人たちもちゃんと出てくるのです。
彼女にとって最大のイベントは隣接した空き地でのおばけ大会。当日参加する子供おばけが五〇人。恐がりに来る客が三百数十名。近くの親子のほとんどが来たということでしょう。