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こうして建設を促進する住民の会はでき上がったセンターの運営を支える住民の会に衣替えした。当時、この種の施設を地域住民が自力でゼロから作り上げた試みは全国でも珍しい。

 

介護保険が与える影響は ?

 

これに刺激されて成瀬台に隣接する玉川学園・南大谷地区に別の高齢者施設を作るための会が作られ、住民自身による高齢者在宅サービスセンターが着工された。成瀬台で芽生えた市民自立の輪は町田市全体に波紋を広げ、地域の老後は地域の中で支えていくという介護保険の理想が達成されたかに見えた。

皮肉なことに、『ケアセンター成瀬』は、介護保険法の施行によって新たな挑戦を受けている。介護保険の実施によって福祉の現場にもたらされる混乱とメリット、デメリットはさまざまに議論されているが、『ケアセンター成瀬』の利用者が減るだろう」(岩崎さん)と関係者は危機感を抱く。

『ケアセンター成瀬』は現在、ショートステイとデイサービス事業を町田市から受託しているのだが、介護保険が実施されると、それらは市からの事業受託ではなくなり、要介護状態にあると認定されたお年寄り(被保険者)一人ひとりと契約することになる。

 

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『ケアセンター成瀬』でお年寄りの相手をするボランティアのみなさん

 

 

 

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