常務理事の前澤八洲雄さんも松谷さんと共に、部会を立ち上げてきた一人だ。
「ボランティア団体の中で、社会活動をバリバリやる人は意外と多いが、後ろでそれらを支える事務局の人間が少ない。銀行のOBであれば、経理はわかるし、データを客観的に見ることができます。また、これからの低金利時代になると、基金などの運用がますますむずかしくなります。活動資金が不足気味で、ボランティアとしての協力は今後ともますます歓迎されると思いますよ」
といっても、ボランティア団体に外部から支援するという立場でも、銀行員の言うことはどうしても強制的こ聞こえるらしい。そのため、自戒のための八か条も作った。
「かみしもを脱ぎ捨てよ」「肩書で人を評価するな」「自分の理論を振り回すな」「組織に溶け込むようにしなさい」などなど。
ボランティアをはじめて、OB会員の人からも感謝されることが多い。先日もこんなことがあった。会員の方が亡くなった。葬式でその息子さんが次のようにあいさつした。
「父は仕事人間で、家族は退職したらどうなるのか心配していました。それがボランティアを頼まれてから元気になり、生きがいとなったようです。おかげさまで最後まで充実した人生を送ることができました」と。
介護保険制度の実施が目前に迫ってきた。一方で生活支援や心の交流を担うべきボランティア団体の活動もますます重要になってくる。草の根活動を強力にバックアップする専門集団として、こうしたプロの知識、経験、判断力などが強力な援軍になることは間違いない。(いしづかとおる)