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当世高齢事情 No.3

 

社会の高齢化により、従来の慣習や一人一人のものの考え方もどんどん変わってきました。特にお金が絡んでくると問題はさらに深刻。そんな当世の高齢事情をもっとも身近に見ている公証人の方に道しるべのアドバイスをお願いするシリーズ。さて、あなたはどんな生き方を選択しますか?

 

「オレも族」にうんざり

回答者 清水勇男

蒲田公証役場・公証人

 

Q 私は六一歳の主婦ですが、五月号の「妻から突然…」を読んで、この奥さんがつくづくうらやましいと思いました。だって、奥さんには夫から逃げ出しても住んでいけるアパートがあったのですもの。アパートが空いたのがチャンスでしたね。私には、そういう逃げていける場所がありません。主人(六四歳)は、会社にいたときも出世とはおよそ無縁の人でしたが、定年になってからは無気力に磨きがかかって、家でただゴロゴロしているだけです。そのくせ、私がデパートやスーパーに買い物に出かけようとすると、「オレも行く」と言って付いてくるんです。こういう「オレも族」の主人にべったり付きまとわれ、毎日が息が詰まりそうです。こんな日がこれから先、ずっと続くのかと思うとうんざりです。主人を活性化させる何かいい方法はないものでしょうか。

 

A むずかしいご質問ですね。無気力に磨きがかかったようなご主人を活性化させる確実な方法があったら、それこそノーベル賞ものですよ。男(夫)には三人のママがいるという話をご存じですか。一人目はもちろん母親、二人目は妻(子供が生まれると妻を「ママ」とか「お母さん」と呼ぶ)、三人目は行きつけの飲み屋のママです。男の依存的体質が象徴されていますね。ご主人は、あなたにべったりと依存し切っているのです。

 

 

 

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