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会員の作品。パソコンを使って描いたデジタル絵画の「ネコジャラシ」(左)と「毛蟹」(右)。カラーで紹介できないのがとても残念なほど見事な仕上がり!(ホームページ掲載分)。

 

真田さんが「先生」と慕うサポーターの清水敏行さん(七四)はコンピュータ会社のOB。大川さん宅で開く講習会には自転車で駆け付けてくる。取材にうかがった日のテーマは「デジカメで遊ぼう」。清水さんはまず「解像度」についてわかりやすく説明し、そのあと真田さんたちにデジタルカメラで撮った画像をパソコンに取り込んでみせた。

「教えに来るというより、私自身が楽しみで通っているんですよ」と清水さんは言う。清水さんに限らずサポーターになっている人たちがそろって口にするのが「楽しいからやってるんです」という言葉だ。

会社員の黒木速人さん(二九)もその一人だ。会社の先輩の石井純夫さん(三三)に誘われてサポーターになったという黒木さんは、会社では高齢者や障害者の生活を助けるロボットの開発に携わっている。初めのうちこそ「仕事に役立つかな」という思いもあったが、続けるうちにお年寄りとの交流そのものが楽しくなってきた。「時々、会員のお宅にうかがってサポートすることがあるのですが、そうするとお年寄りの生活にじかに触れて、いろんな話を聞くことができる。それが今では生きがいみたいになっちゃって」と笑う。

サポーターの中には会社公認で勤務時間中に講習会に来てくれる人も増えた。黒木さんもそうだし、平日の会場に研修センターを提供してくれているNTTでは、社員もサポーターとして毎回参加している。

サポーターの年齢は二〇代の大学生から七〇代の清水さんまで、実に五〇歳以上の幅がある。若者も年配者もサポーターという同じ役割の中で高齢者との交流を楽しみ、異世代のサポーター同士の親睦を深める。

 

 

 

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