―水口祭り―
やーっ長かった! 何キロ歩いたんだろう。
田村神社―それはそれは太い杉林に囲まれている。突っ先に社がほんの少し見える。ズンズンズンと近寄るとずんずんずんと向こうも逃げる。思ったよりも深そうだ。どうやら、また、山越えせにゃならぬのか。疲れているし、そそくさと退散することにした。
打ちひしがれた思いで、大鳥居を出ると、そこにバスが。こんなことって滅多にあるもんじゃない。迷わず飛び乗る。うつらうつらのあと、「ミ・ナ・ク・チ」の声で飛び降りた。ちょうど、アーケードの奥から威勢のいい御輿の行列。もちろん、お尻をおっかける。前に山車が数基。ここにも京文化が生きていたのだ。祭りの行方を見届けたいがそろそろ宿へ。帰着早々、のり平婆さんの険しいまなざしでオロオロ。こっぴどくお目玉を喰らってしまった。めでたし、めでたし。