公的介護保険 入門講座 No.14
<介護サービスの種類は自由に選べるの?>
●上限に収まる範囲で選択する
介護保険には「在宅サービス」12種類と「施設サービス」3種類があり、介護が必要と認定され、その程度が判定されれば、私たちは在宅か施設かどちらかのサービスを自分で選ぶことができる。
在宅サービスの場合、ホームヘルパーによる訪問介護、デイサービス、ショートステイなど12種類の中から必要なサービスを自分で選択でき、さらに市町村が介護保険の給付として独自のサービスを提供していれば、そのサービスも受けることができる。
しかし、判定された要介護度ごとに利用できるサービスの範囲に上限がある。また、実際には、給付できる介護サービスの量が不足していたり、サービスの種類を十分にそろえられなかったりする市町村もありそうなので、当初は希望する在宅サービスを自由に選ぶことはなかなかむずかしそうだ。
施設サービスでは、特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型病床群(いわゆる老人病院)のいずれかの介護保険施設に入所することによって、介護サービスを受けることになる。ただし、施設の場合も施設の種類別に利用できるサービスの範囲に上限がある。また、要介護度が「要支援」と判定された高齢者は、施設サービスを受けることはできない。
●希望通りに入所できない場合も
介護認定で「要介護1」から「要介護5」のいずれかと判定された高齢者が「施設サービスを受けたい」と希望したとき、利用したい介護保険施設に入ることができるのだろうか。残念ながら、希望通りにいかない場合も出てくる。理由は、希望している施設に空きがない可能性があるからだ。
また、介護保険によって入所できる施設には特徴がある。特別養護老人ホームは日常生活を送る場で、健康管理以外の医療の提供は原則的にない。
これに対して、老人保健施設と療養型病床群は医療を提供できるが、長期入所は前提にされていない。