日本財団 図書館


提言から実践へ。

市民の力を反映させた社会システムづくりを

 

堀田 今、東京都と横浜市で、どちらも私が座長なんですが、それぞれ行政とNPOあるいはボランティアとの協働の構図づくりをやっています。民間でがんばるべき公益、あるいは官民が一緒にやれる分野を挙げて、その仕組みを考えています。どちらもその理念は理解してくれたんですが、問題はその先の支援の方法なんですね。消極的支援としては先ほどの住民税など地方税を減免する方法、積極的には補助金の交付。ここの仕組みをどうするか、その考え方のいいモデルが日本にはまだできてないんです。

加藤 (うなずく)

堀田 横浜市は元建設省次官の高秀さんが市長をされておられて、非常に理解力のいい方ですが、でも横浜市の場合に一番問題になったのが、憲法八十九条(注)。「公の支配がない慈善活動には金を出してはいけないと憲法に定められている」と。

 

●(注)日本国憲法第八十九条

【公の財産の支出又は利用の制限】

公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

 

012-1.gif

 

堀田 ボランティアが行う多くの活動は、憲法にいう慈善博愛の事業に当たるでしょう。それでは、「公の支配」を受けないボランティア団体には補助金交付もできない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION