まえがき
最近の電装工事における作業環境は、電気機器及び電線布設量の増加により複雑化しており、また、高所での電路金物の取り付けや電路の布設作業、高いマストでの無線機器等の取り付けや整備、狭隘な場所での電気機器の取り付けや結線作業等により厳しさを増しており、転落、挟まれ、火傷、感電等の労働災害が発生する危険がある。
人は何よりも健康であることが第一である。労働災害の発生は、本人はもとより社会的な損失も大きく、小規模事業者の多い電装業界では、一人の作業者が職場を離れることは事業経営にも重大な影響を与える。
このため、当協会に『電装作業安全衛生心得作成委員会』を設けて運輸省のご指導と各委員のご協力をえて、電装作業者が被災することがないように作業心得、注意事項、労働災害防止対策等を『電装作業安全衛生ハンドブック』として取りまとめた。本冊子が労働災害の防止の一助になれば幸いである。
本冊子の作成に際して、執筆や編集にご協力頂いた各委員の方々、関係資料をご提供頂いた中央労働災害防止協会、(社)日本造船協力事業者団体連合会に深甚の謝意を表する。
平成12年3月