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ICはまたその機能によって、

(1) アナログ集積回路(Analogue IC)

(2) ディジタル集積回路(Digital IC)

に分けることができ、さらに、その回路を構成する部品=素子の集積度によって

(1) 小規模集積回路(Small Scale Integration: SSI)……………………2〜100素子

(2) 中規模集積回路(Medium Scale Integration: MSI)…………………100素子以上

(3) 大規模集積回路(Large Scale Integration: LSI)……………………1000素子以上

(4) 超大規模集積回路(Very Large Scale Integration: VLSI)…………10万素子以上

(5) 超々大規模集積回路(Ultra Large Scale Integration: ULSI)……1000万素子以上

に分けることができる。

電子回路としてのICの特長の主なものは、次のとおりである。

(1) 信頼性の向上

電子機器の信頼性は、機器を構成する部品の数に大きく依存する。ところがICはその中に含まれる各部品を当初より一体として製作し、その間にハンダ付けなどによる接続点がないので、IC自体を一個の部品として考えればよく、全体としての構成部品数は大幅に減少することになる。

(2) 価格の低減

複雑な回路とその構成素子を一つの部品として大量生産してしまうので、製作工数的にも、また、材料的にもその生産価格を大幅に節約できる可能性がある。

(3) 小型、軽量化

(4) 高速化

電子計算機などにおける処理の速度は、素子の中での電子の運動の時間に左右される面がある。したがって、小型化は伝送線路に費やす時間や配線によるインダクタンスや浮遊静電容量が少なくなる等で処理速度の高速化に通じる。

 

4・2 ICの構造

ICを作る方法は、ある種のトランジスタの製作とかなりの部分で共通性がある。すなわち、原料のけい石から高純度のシリコンを精製して、さらにそれを単結晶にする。この単結晶のシリコンを薄く輪切りにして、表面を鏡面仕上げする(これをウエハーという)が、これをそのまま使う方法と、エピタキシャル成長(epitaxial growth)と称して、シリコンの単結晶を反応管の中に入れて加熱し、四塩化けい素(SiC14)と水素(H2)の混合ガスを送り込んで、その表面にシリコンを折出させて層を作る方法とがある。

 

 

 

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