次にオペアンプの特性を表す主なものは次のとおりである。
[差動利得] オペアンプの利得で次式で与えられる。

この値は汎用のオペアンプの場合で100〜120dBである。
[同相利得:μc] 二つの入力に同じ電圧Vを接続したときの利得VO/Vでこの値は小さいほど外部雑音や周囲温度の影響が少なくなる。
[入カインピーダンス:Zi] 二つの入力端子間から見たインピーダンスで、初段がバイポーラ型トランジスタの場合で10kΩ程度、FETの場合で数100kΩ〜数MΩ程度である。
[出力インピーダンス:ZO] 出力端子から見たインピーダンスで、数10Ω以下である。

[スルーレート:SV] 線形動作できる出力電圧の時間に対する変化率dvo/dtの最大値で定義される。オペアンプの出力電圧は同じ周波数でも振幅を大きくとるとそれに比例して変化率が大きくなるので、もしこの値がSVを越えると出力電圧波形に歪みを生ずることになる。たとえばVO=Esinωtのときはdvo/dt=ωEcosωtであるから|dvo/dt|の最大値はωEである。したがって歪みのない出力を得るにはωE<SVを満たさなければならない。SVの値は5〜50V/μs程度である。
[オフセット電圧:Voff] 無信号時の出力電圧を差動入力電圧に換算した値で、この値が大きいと無信号時の出力電圧が零から離れる。直流増幅器などの場合、無信号時の出力電圧を零にする必要があるときは付属の調整用端子を用いて出力電圧を零に調整する必要がある。