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図3・16 ブラウン管の構造

 

この場合は、図3・16の(d)に示すように、第2グリットより先の電子レンズを構成する部分の管の外側に適当な集束コイルを取り付け、このコイルに直流を流して軸方向の磁界を作り、これによって電子流を集束して、ちょうど蛍光面のところで集点を結ばせるようにする。

このように、電子ビームの集束をすると、電子ビームは管面の中心に細いビームとして当たるようになるが、CRTはこの電子ビームを使って管面全体に図形を描かねばならないので、この電子ビームを上下左右に曲げる機能が必要であり、これを偏向という。偏向にも静電偏向と電磁偏向とがあって、静電偏向の場合は、偏向板と呼ばれる互に対向する2枚の金属板を、上下用と左右用の二組を電子レンズの前方に封入しておき、この偏向板に電圧を加えることによって電子ビームの向きを変えさせる。例えば、上の偏向板に正、下の偏向板に負の電圧を加えると、電子ビームは上方に曲がり、その偏向量は加えた電圧によって変化をする。例えば、CRT面にレーダーの距離環のような円を描こうとすれば、上下と左右の偏向対に、互に90°の位相差をもった正弦波(サインウエーブ)を掛けてやればよい。

 

 

 

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