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ここで、λは電波の波長、dは送信空中線からの距離である。また、Rは大地の反射係数で、普通は、R=-1であるから :

E/E0≒2・sin {(2πh'1h'2)/(dλ)} (8・5)

 

となる。

このような電波は、地表面に近い大気中を通るので大気の屈折率を受ける。大気の屈折率nは気圧、温度、水蒸気圧(湿度)の影響を受けるが、地上では1.0004と1にきわめて近い。そこで実用上の便利さから、N=(n-1)X106という値をとり、これをN単位(NU)で、屈折指数と呼ぶ。標準的な大気では、高さが高くなると空気空気が薄くなるので屈折率は減少し、その変化は高さの指数関数的であるが、高さ1kmまではほぼではほぼ直線とみなされる。屈折率の高さに対する傾度は、△N/△h=-39NU/?である。このように、高度が高くなると屈折率が減少するので、電波は下向きに屈折をして、見通し外まで到達することが可能であり、電波の屈折の曲率半径は近似的に、1/R=-dn/dhである。このような状態の電波の到達距離の計算には、図8・9 の(b)と(c)に示すように二つの方法がある。一つは、電波の通路を直線とするように地球の半径を大きくするもので、これを等価地球半径と呼び、それは標準大気では地球半径の 4/3倍となる。二番目は、地球を平面とみなしたときの大気の屈折率で、この場合は電波の通路は上向きになり、修正屈折率と呼ぶ。この場合、修正屈折指数として、N単位を用いると、標準大気では、△H/△h=118MU/kmとなる。

 

196-1.gif

図8・9 等価地球半径と修正屈折率

 

196-2.gif

 

 

 

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