ダイポールその他の空中線素子を、送受信電波の波長を考慮して並べ、その位相合成によって、ある方向に指向性を持たせた空中線とすることができるが、一般にこれをアレイ空中線と呼んでいる。
最近の航海用レーダーでは、パラボラ空中線に代わって、導波管の管壁に多くのスロットを切ることによって、アレイ空中線としたものが使用されている。これは、このようなスロット空中線であればパラボラ空中線に比べて横方向の寸法は変わらないが、(空中線は横方向に長いほど、水平方向の指向性は鋭くなり、その長さと水平ビーム幅との関係は、パラボラ空中線でもスロット空中線でもほとんど同じである)上下方向は、はるかに小さく軽量にでき、空中線の回転に必要な動力や、回転に伴う風圧などを小さくできるからである。