次に、図4・18に示すようにエミッタに小さな交流電圧信号を加え、コレクタに負荷抵抗をつないだ場合を考えてみよう。エミッタ・ベース間は順方向バイアス電圧が掛かっているので、小さな信号電圧でも電流は大きく変化し、その電流がコレクタ、負荷抵抗を流れるので、負荷抵抗の両端には大きな信号電圧が表れる。これが増幅の原理である。
なお、図4・15のトランジスタの記号中PNP形とNPN形の区別は、エミッタ・ベース間に順方向電流が流れる向きにより、PNP形ではエミッタからベースに向かった矢印で、NPN形ではその逆の矢印で示されている。