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4・2・2 ダイオードの種類

半導体を利用したダイオードにはいろいろな構造のものがある。またその用途も整流用、検波用、発振用、変調用、電源安定用など広範囲である。以下に主なものについて述べる。

(1) 検波用ダイオード

 

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図4・9 点接触ダイオードの構造

 

(2) 整流用ダイオード

交流電源を直流電源に変換するときに用いられる出力電流の大きなダイオードで、主にPN接合のシリコンダイオードが用いられる。負荷電流と電圧の大きさに応じてダイオードの出力電流値、せん頭逆電圧値を選ぶ必要がある。

(3) 定電圧ダイオード

普通のPN接合ダイオードは逆バイアスにすると電流をほとんど流さないが、P形及びN形半導体中の不純物の量が多いダイオードは、図4・10のように逆バイアス電圧がある値に達すると逆方向電流が急激に増加する。これをツェナー現象と呼び、ダイオード自身もこの名前を採ってツェナーダイオードと呼ばれる。また、逆方向電流が急激に増加する電圧を降伏電圧と呼んでいる。このダイオードを逆バイアスで用いると、電圧が降伏電圧よりも高くなろうとすると電流を流して、その電圧を降伏電圧に保とうとするので、この現象を利用して定電圧回路に用いられる。図中に示すように、不純物の濃度により降伏電圧が異なる。

 

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図4・10 ツェナーダイオードの電圧電流特性

 

 

 

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