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2・18 シンクロの原理

シンクロはシンクロ発電機とシンクロ電動機との組合せからなり、前者から後者へ回転角度を伝達する電気機器である。発電機と電動機は同じ構造で、固定した部分(固定子)と回転する部分(回転子)とがある。固定子には図2・24に示すように中空の鉄心に120°おきに三組のコイルが巻かれている。そして、その中には、鉄心にコイルを巻いた回転子が自由に回転できるようになっている。発電機と電動機の回転子は並列接続されて共通の交流電源に接続され、固定子の三組のコイルはY型に接続された上で、これも発電機と電動機の回路は並列に接続されている。

いま、発電機と電動機の回転子が、図に示すように、それぞれが固定子の三組のコイルに対して同じ向きにあるときには、回転子のコイルを流れる電流で作られる磁界によって、発電機と電動機の固定子のコイルに発生する電圧は同じであるから、固定子のコイル間には電流は流れない。ところが発電機の回転子がある角度だけ回転すると、固定子のコイル間の電圧の平衡が破れて、固定子のコイル間に電流が流れ、固定子と回転子の両電流による磁界の相互作用によって回転子に回転トルクを生じ、電動機の回転子は回転するが、発電機の回転子と同じ角度関係になると再び平衡がとれて回転が止まる。同じ原理により、発電機の回転子が連続的に回転をすると、電動機の回転子はその回転に追従して回転をし、発電機の回転角度を電動機に伝えることになる。

 

 

 

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