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これら専門工場は、船舶所有者又は造船所の注文を待つことなく、自らの生産計画に基づいて、船舶検査の対象となる物件を一定の型式のもとに、多量生産方式によって製造している。したがって、製造者にすれば、その製造中に検査を受けることができ、船舶に備え付ける以前に、技術上の基準に適合しているとの証明を得ることができれば、取引上非常に便利であり、一方、需要者である船舶所有者又は造船所にとっても、予め管海官庁又は日本小型船舶検査機構において、合格の証明を得たものを船舶に備え付けることができることになり、工程の合理化、検査期間の短縮等を図ることができる。

(b) 製造検査、定期検査等においては、物件を製造中から検査を行うものである。したがって、予備検査の制度がない場合には、専門工場で製造した物件を購入して、船舶に備え付けることが事実上不可能となり、産業の発展を阻害することばかりでなく、また、機関、電気設備等特定の物件の工事は、船体の工事期関より長期間を要するものがあり、船舶の完成を遅らせることになる。予備検査の対象となる物件(製造中に係るもの。)は、次のとおりである(施行規則第22条別表第1)。(電気に関係するものを掲げる。)

(i) 船体に係る物件で次に掲げるもの

(イ) 舵

(ロ) その他管海官庁が指定する水密閉鎖装置

(ハ) 防火戸の動力開閉装置

(ニ) 自動閉鎖型防火ダンパー

(ホ) 送風機

(ヘ) 隔壁又は甲板に用いる防火用材料

(ト) 高速排気装置

(ii)機関に係る物件で次に掲げるもの

(イ) 蒸気機関

(ロ) 内燃機関

(ハ) 船内外機

(ニ) 船外機

(ホ) ガスタービン

(ヘ) ボイラ

 

 

 

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