(3) 船舶による危険物等の運送及び航行上の危険防止に関する事項を遵守すること(法第28条)。
注 : 本章においては、説明文中とくにことわりなく、「法」と略してあるのは「船舶安全法(昭和8年法律第11号)」を、「施行規則」と略してあるのは「船舶安全法施行規則(昭和38年運輸省令第41号)」をいう。
3・2・2 概要
船舶安全法は以上の目的を達成するための船舶の構造、設備の技術基準及び船舶検査を受ける義務を定めているほか、次の事項について規定している。
(1) 検査及び検定の執行(法第6条ノ4、第7条、第7条ノ2)
船舶の検査(定期検査、中間検査、臨時検査、臨時航行検査、製造検査)は、主務大臣が特に定める場合を除き、船舶の所在地を管轄する管海官庁が行う。
検定は、当該船舶又は物件を製造する事業場の所在地を管轄(注1)する管海官庁(又は指定検定機関)が行う。
予備検査は、当該船舶又は物件の所在地を管轄する管海官庁が行う。
ただし、小型船舶(総トン数20トン未満のものをいう。)に係る船舶の検査(特別検査及び再検査並びに特定の小型船舶(注2)を除く。)及び予備検査に関する事務は小型船舶検査機構が行う。
注1 : 管海官庁とは、施行規則第1条第14項
注2 : 特定の小型船舶とは、施行規則第14条
(2) 船級協会の検査及び船級登録の効果(法第8条)
運輸大臣が認定した日本の船級協会(財団法人日本海事協会)の検査を受け、船級の登録をした船舶で旅客船以外のものは、其の船級を有する間は、3・4・1に関し特別検査以外のものは管海官庁及び小型船舶検査機構の検査(命令を以て定めたものは除く)を受け合格したものとみなす。即ち海事協会の検査は上記の特定事項に限り、管海官庁及び小型船舶検査機構が行う検査と同等とみなされる。
注 : 船級協会とは、施行規則第47条
(3) 船舶検査証書等の効力及び有効期間(法第9条、10条、10条の2)
管海官庁又は日本小型船舶検査機構は、定期検査に合格した船舶に対してはその航行区域(注1)(漁船については従業制限)、最大搭載人員(注2)、制限気圧(注3)及び満載喫水線(注4)の位置を定め船舶検査証書(注5)及び船舶検査済票(注6)(小型船舶に限る。)を交付する。