(d) マイコンによる制御処理
インバータの制御には多様の処理機能と迅速な処理能力が要求されるので、制御用マイコンが組込み使用される傾向にある。マイコンに通常要求される機能は、
(i) 始動、停止シーケンス
(ii) インバータ保護及び電動機保護シーケンス
(iii) 出力波形処理(例えば正弦波PWM)
(iv) 制御用演算処理
(v) 制御用定数設定
等で、これらの内(iii)は処理時間の関係上、専用のワンチップマイコンであるLSIで処理する場合が多い。
(e) トランジスタインバータの主回路
3相交流電源に接続して使用される通常のインバータでは、コンバータ部にダイオードを使用し、インバータ部は整流素子にパワートランジスタを用い、正弦波PWMインバータを構成しているのが一般的である。その主回路は図2.118に示される。
パワートランジスタはPWM制御されたベース信号により主電流をON-OFFして電圧と周波数が任意に制御される。トランジスタに並列に接続されたダイオードは無効電流を処理するための帰還ダイオードである。