B図及びC図は位相制御角70゜の場合を示すが、SugパルスでサイリスタSuを点弧する際は、同時にサイリスタSyも導通状態にされるので、点弧以後はμ相とv相の電圧曲線により示される差電圧が負荷側のPN端子間に加わることになる。u相とv相の電圧曲線の交点Pに至ると、抵抗負荷の場合は、誘導逆起電力が発生しないので、サイリスタ両端子間に加わる電圧は零となり、サイリスタ電流は流れなくなる。
(c) 負荷の種類による位相制御角と出力電圧との関係
(i) 抵抗負荷の場合
図2.96は三相半波整流回路の場合を示している。制御位相角αでゲートに点弧パルス電圧を加えると、各相のサイリスタ素子は順次点弧されるが、交流電源側の相電圧が零に至る時点で電流は流れなくなる。放電用のバイパスダイオードを並列につないだ誘導負荷の場合は、サイリスタ出力電圧零の状態では蓄積していた負荷中のエネルギーをダイオードを経て放電するので、負荷電流は連続して流れるが、出力電圧の波形は抵抗のみの負荷の場合と同じである。