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SCRの順方向電圧低下(導通時の電圧降下)は普通1ボルト程度、接合部の許容温度は100〜150℃で、微妙な時間間隔で電流遮断を行わせる時の注意すべき特性の一つであるターンオフ時間(逆電圧を加えてターンオフさせる時、再び順方向に電圧を加えてもターンオフしない最少の時間間隔)は約1/10,000秒である。

 

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図2.76 SCRの電圧、電流特性

 

SCRは小形、軽量で、電力損失が少く、また、高速で動作し、その上制御が容易なため、インバータ(直流から交流への電力変換装置)や、コンバータ(交流から直流への電力変換装置)の電力変換素子として大いに活用されているが、次のような弱点も持っているので適用に当っては、電圧、電流、温度等についての指定された限度を守るよう注意を払うことが必要である。

(a) 温度が高くなるにしたがって逆阻止時(逆方向の電圧がかかっている時)の電流が増加すると共にある温度限界を超えると、急速に順方向のブレークオーバ電圧が低下し、SCRとしての機能をも失ってしまう。

(b) ゲートに点弧信号が無い時に、ブレークオーバを超すような順方向の過大電圧が加わると破壊することがある。

(c) 逆方向に過大な電圧を加えると、逆電流急増により全く使えなくなるまでに破壊される。

 

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図2.77 SCRの構造

 

 

 

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