2・3・6 定格及び特性
(1) 定格出力
変圧器の最大出力は他の電気機器と同様に温度上昇により制限される。温度上昇の原因となる変圧器の損失は鉄損と銅損で鉄損は電圧により定まり銅損は電流によって定まる。したがって、温度上昇は電圧と電流の相乗積である皮相電力によって定まる。
定格出力は定格二次電圧、定格二次電流、定格周波数及び定格力率で二次端子間に得られる皮相電力をいい、これを普通kVAで表す。
(2) 電圧変動率
無負荷と全負荷との二次端子電圧の変動をいい現わすもので、この値の大小は電球の寿命、電動機の最大出力等に影響を及ぼす。この定義は二次端子が定格周波数、定格電圧にて定格出力を出すよう一次端子電圧を決定し、これを不変に保ちつつ無負荷としたときの二次電圧の変動を定格電圧の百分率で表わしたもので、特に指定のない場合は負荷の力率は100%とする。