この電流を無効電流といい有効な負荷電流(発電機にブレーキをかけるように働く電流)とはならないが、放置すると電機子に過電流が流れ過熱の原因となり、気中遮断器(ACB)が遮断動作し並行運転が不能となる。これを防ぐには横流が流れた時、内部電圧の高い方を下げ、低い方を上げるように働く横流補償装置が必要である。横流補償装置には次のものがある。
(イ) 均圧線横流補償式
両発電機の界磁巻線間を均圧線で結んだもの。
(ロ) 変流器横流補償式
発電機の出力回路に横流補償用変流器を設け、その二次出力を自動電圧調整器(AVR)又は自励調整装置の電圧検出回路に挿入した横流補償抵抗器に加えるようにしたもので普通一般に用いられる。
(イ)は次のような性質がある。
(i) 異容量機種の並行運転には適さない。
(ii) 並列投入直後は並列開放直前のように方が無負荷、他方が負荷状態のとき横流は流れるがACBを動作させるようなことはない。
(iii) AVRが無く電圧特性の悪い発電機でも採用可能であり、また、両機にかなり電圧差があっても並列投入は可能。
〔参考〕 無効循環電流が及ぼす発電機の皮相電力の不平衡について、NK規則では次の通り規定している。
交流発電機を並行運転する場合、ほぼ定格力率において運転したとき、各機の皮相電力の不平衡は、有効電力を平衡させた状態において、各機の定格出力による比例配分の負荷と各機の出力の差がそれぞれ最大機の皮相電力の5%を超えることなく運転できなければならない。
2・1・4 規定による電圧特性上の区分
(1) 漸変電圧変動特性