2. 電気機器
船舶には次に示す装置に従って種々の電気機器が装備される。
(1) 電源装置
(2) 配電装置
(3) 動力装置
(4) 航海灯、信号灯
(5) 照明電灯装置
(6) 電熱装置
(7) 船内通信、航海計測装置
(8) 無線装置
その他漁船では冷凍装置、漁かく物加工装置等が必要である。この章において、これらの総てを記述することは困難なので電気として主体となる機器について記述することとする。
2・1 交流発電機
2・1・1 一般
船舶の電源は昭和30年頃までは、特殊船を除いては直流であった。このことは、電化の程度が今日程ではなく、また、直流発電機の特性上、交流発電機に比べ、自動電圧調整器が無くとも、電圧変動が少なく、さらに、並行運転も容易に、手動でできたためであった。
しかし、その後、電源の容量も次第に増加し、しかも、経済性の追及も厳しくなってきた。たまたま、我が国では昭和33年以降自励交流発電機が実用化され、さらには、ブラシレス交流発電機も開発された。これらは、直流回転励磁機付き交流発電機に比べ、電圧変動に対する電圧回復の即応性が、良好になったため、貨物船におけるポールチェンジ電動ウインチ群の採用も可能になった。また、電圧調整、並行運転、負荷分担等も自動化されて、取扱いが改善されたため、電源の交流化が大いに促進され、今日に至っている。
船用交流発電機の駆動には、通常、専用の発電機を使用するが、最近は、省エネルギーの見地から、主軸駆動のものが出現してきた。
以下、これらについて述べる。