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8・2・2 液体

 

液体にも変圧器油のように導電性のないものと、食塩水のように導電性のあるものとがある。食塩水の場合は、食塩(NaCl)を水溶液に入れれば、正に帯電したナトリウムイオン(Na+)と負に帯電した塩素イオン(CI-)とに分離し、水溶液中の電極間に直流電圧を加えると、Na+は陰極の方へ移動し、陰極の負電荷と中和し、CI-は陽極の方へ移動して陽極の正電荷と中和するために、食塩水中に正負両電荷の移動による電流が流れる。(4・1参照のこと。)

以上液体の電気伝導の一例を述べたが、要するに溶液中に正・負の電荷ができると電流が流れる。その流れ具合は、正負両荷電体の濃度とその動きやすさの積に比例し、また、その温度が上昇すると、電気抵抗が減少する傾向があるので、温度係数は一般に負であるといえる。この溶液(電解質の溶媒といっている。)には水のほか、アルコール、過酸化水素、液体アンモニア等がある。

 

8・2・3 固体

 

固体導電材料は、機能面からは導電材料、電線材料、抵抗材料及び特殊導電材料などに大別されるがその用途によって細かく分類すれば次のようになる。

 

(1) 導電材料

 

(a) 銅 銅は銀についで体積抵抗率が小さいものであるから、電線材料の主流をなす、普通の電線、ケーブル、コード等に使用する銅は軟銅線であって、導電率は98〜100%である。このほかに、硬銅線又は半硬銅線等があって、送電線や架空トロリー線などに使用され、導電率は96〜97%である。

(b) 銅カドミウム合金 銅にカドミウムを1.2〜1.4〔%〕を加えたもので、引張強さ45〜65〔kg/mm2〕、導電率85〜90〔%〕である。送電線、架空トロリー線、通信線、空中線、バインド線等に用いる。

(c) リン青銅 極微量のりんを含んだ銅に約10〔%〕以下の錫を加えたものである。引張り強さ30〜80〔kg/mm2〕導電率30〔%〕以下である。導電性のばね材料としてスイッチ計器類等に用いる。

(d) 銅ベリリウム合金 銅にベリリウムを約2〔%〕加えたものである。導電率は25〔%〕程度であるが、常温加工、熱処理などを適当に行えば、引張強さ130〔kg/mm2〕に達し、弾性が大きく、温度が 350〔℃〕に達しても物理的変化がなく、耐摩耗性、耐食性にすぐれている。その故に、スイッチの接触部、点溶接機の電極、その他りん青銅に代って使用されている。

 

 

 

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