排泄については、尿と便があります。回数、性状、色、臭いまで調べれば十分です。特に腹痛の時には必ず紙コップなどの容器に尿を受けて性状を観察してから捨てるように心がけて下さい。
小さい尿路結石が排出されたのを見落すことがあります。排泄と痛みの関係も大切な症状です。
意識状態の分類を4通り覚えて下さい。
1]清明=普通の正常な状態
2]半昏睡=刺激が無ければ直ぐ眠り込む状態(傾眠も同じ)
3]昏睡=どんな刺激を与えても反応しない状態
4]せん妄=意識障害があり会話不能であるが、精神状態だけ活発で、興奮と幻覚のある状態
船からの通信で詳しく症状を教えられた場合でも、直接診断ができないためどうしても推定診断にならざるを得ません。そのためにも質問の内容を出来るだけはっきり書くようにして下さい。
皮膚の状態と体位とは、意識の有無に関係なく観察できます。皮膚の状態とは皮膚の色(黄色・蒼白など)、汗のかき具合、湿り具合、弾力性等をいいます。
体位とは、病人の寝ている姿勢です。仰臥位か右側臥位かなどあり、胸や腹があまりに苦しくて横になって寝ておれず座って喘いでいることもあります。患者は一番楽な姿勢でいようとするものです。
3 既往症(本人のMEDICAL RECORDS参照)
乗船する前から持っている慢性疾患や、そのために常備薬を持っているような病気があるならば、必ず書いて下さい。高血圧、糖尿病、心疾患、テンカンなど大事な既往症です。尿管結石などは繰り返し発病しやすい病気です。『虫垂手術済み』はいいですが、『虫垂炎あり』だけでは困ります。
アレルギーのある患者については、アレルギーの原因を出来るだけ詳しく聞き出して下さい。どんな植物か、どんな薬剤によって発生したのかを明確にして下さい。