私は、本当に困らせました。先生は毎日大変だったと思います。私達の健康のため、毎日毎日バランスよく摂るには、いろいろ考えて(食事を)作ったことでしょう。山羊を飼ってくれて、山羊の乳でカルシウムを摂ったり、チーズを作ったり、乳しぼりは、横堀先生が毎日、朝に晩にしぼってくれ、みんなに飲ませてくれました。そのおかげで私も今、一人の女性として成長できました。
私が結婚するにあたって結納の式もして下さり、私が生まれた家には紋がなかったので、横堀の紋を入れ、着物を作ってくれました。それを着て料亭でしました。結婚式も随分迷惑をかけました。自分で言うのもなんですが、立派な式をあげることができました。血のつながりがなくても一緒に生活をして本当の家族になれる事、教えていただきました。
「里親」っていうのは、自分の利益のためにしているのではなく、一人一人子どもの将来の幸せを考えて生活をしているのだとわかりました。里親家庭で育ててもらったこと、本当に良かったと、今は感謝しています。中学校の時、同じクラスに施設から来ている人達がいましたが、家庭で育った人とは違いがあり、愛情を持って育てられていないような気がしました。