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民生児童委員の仕事とか里親の仕事というのは制度上、例えば何らかの組織とか職員になって給与を貰って仕事をしている訳ではないですね。気持の上のボランティアという部分と社会的なシステムとしてのボランティア、両方の側面含めてこの二つとも私は里親には勿論不可欠な要素だと思っています。

具体的には、例えば児童養護施設のようなところに就職してかなり具体的な姿でいえば、ファミリーグループホームとか少人数の子供をケアしている。一見里親さんのされてる事と似ているかと思いますが、完全に社会的な保障の基盤は違いますね。その点で、先ず社会的に一つの職制なり、或は有給性といっていいでしょうか、或は有償性といっていいでしょうか、そこにウエイトが置かれていないそのような分野に、自分が自ら何か重い意味を感じて入いる訳ですね。それが一つあります。

それからもう一つ心理的というのは、一般にいえば子供好きであるとか、何か子供の為に犠牲になっているとかという事よりも、先程の難しい理念はともかく、これは一番ある意味では愛情をもって育てるという、具体的には里親の場合にその姿ですね。それを持たないで仕事を進める事はできない。その二つの意味で申し上げました。どこか何かもしお気持とずれていましたらその部分ちょっと出して戴けますか?

 

安田 あのそういう意味合いで言うならば、少し理解できます。しかしながら、今の日本の行政の中では、確かにそういう立場にあります。だからこそ、今教授が4パートに分れて里親としての役割という事は大変重い重い課題を背負いながら子供を中心に据えてやっていかなければならない訳ですよね。そうすると私はなぜかあえて独断かも知れませんが言わせていただきます。

私達里親は子供を命がけで育てております。本当に真剣勝負で育てております。ですからそのボランティアについて、教授が今日のお話の中での立場でのお話は少し理解はできるんですが、ともすれば日本の文化の中には、マスコミ等新聞の中で流されやすい風潮がございます。ですから、そこのところをもう少し違った表現ができないものだろうかという事を前々から思っておりました。

今ここで若い里親さんも、そして中高年或は里親の役割を終えられた方沢山いらっしゃいます。そんな中で一番の想いは、やはり子供の幸せがどう日本の社会の中で築き上げていかれるかの、そのちょっと親としてできるちょっとしたお手伝いのできるだけの事しか私達里親はできません。ですからそこのところを、行政がきちんと関係機関を通じて制度化していただきたい。

例えば、今年全国里親会の渥美会長が宮下創平大臣に要望書を出しました。これは去年と全く同じものを出しています。しかしながら、なんら返答は返っていない状況で今年もそうでしたが、何かその中でも一つだけ、今私が申し上げた事を含めて何か一つだけでも、その行政側に対して、その教授の研究されている部分の中から、もう少し里親が行政の中でどういうふうに位置づけられるのが日本の今の子供達にとって重要かという事を、是非私も一生懸命勉強して考えたいと思いますし、本当に学識研究者の方々の意見を是非行政の方に出していって戴きたいと思いますので、敢えて申し上げました。どうも有難うございました。

 

記念講演レジメ

 

演題『子育て支援と里親の役割』

 

I 子育てと育て親

1 子育てを担う人:実親の第一次的教育責任と社会の養育責任

2 生みの親(生物的親)と育ての親(心理的親、社会的親)

3 子育ての歴史にみるさまざまな親:取り親、名付け親、乳母(うば・めのと)、しつけ親、旅親、職親、養親、そして里親

4 子どもにとって欠かせない心理的親

 

 

 

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