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行政説明

 

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厚生省児童家庭局家庭福祉課長

萩原英俊

只今御紹介いただきました厚生省児童家庭局の家庭福祉課長をしております萩原と申します。よろしくお願いします。本大会に参加されておられます皆様方におかれましては家庭に恵まれない子供達の福祉の向上の為に日夜御尽力を戴いておりまして、この席をお借り致しまして心から感謝を申し上げます。又、栄えある表彰を受けられました皆様方におかれましては受賞を心からお祝いを申し上げます。

私からは児童福祉の現状、或は課題についてお話を申し上げたいと思います。まず、児童福祉分野の課題と致しましては少子化への対応が重要な国家的な課題となっているところであります。我国において毎年生まれてくる子供の数は年々減少しておりまして平成10年では約120万人となっている訳であります。

一人の女性が一生の間に生む子供の数を示します合計特殊出生率は戦後のべビーブーム当時は4.3程度あった訳でございますが、その後年々底下致しまして昭和30年の半ば頃には2の水準になった訳でありまして、さらに昭和50年には始めて1.91と1の台になりましてその後も一環して低下をし続けている訳でございます。そして平成10年度は、先程の御挨拶の中でもありましたように1.38迄に低下しておりまして人口を維持する為に必要といわれております2.08を大きく下回っている状況にあるわけでございます。

一方我国の人口は現在一億二千万ある訳でございますが、ある程度の出生率の回復を見込んだとしても50年後の2050年には約1億人と2割程度減少、さらに100年後の2100年には6700万人と現在の半分程度の人口となると見込まれている訳でございます。又、このまま出生率が回復しないで引き続き低下しつづけた場合に、100年後の2100年には大正時代とほぼ同じの5000万人程度になると推計されている訳でございます。

そして人口の減少もさることながら人口構造の変化が大変大きな問題でございます。若い人もお年寄も万遍無く減少してその結果で人口が半分以下になる、そういうような事であれば、或はそのほうが良いと言えるかも分かりませんが、現実には若い人が減りましてそれに反比例するかのようにお年寄がどんどん増えていく、いわゆる少子高齢化社会になる訳でございます。

このような少子高齢化社会は人々の生活などに様々な影響を与えると考えられておりまして若年労働力の減少によります経済成長の鈍化や社会保障負担の増加等の経済面の影響、或は家族の対応や子供の成長等、社会面への影響等、主にマイナスの影響が懸念されているところであります。

少子化が進む原因につきましては晩婚化や非婚がどんどん増えていることが主な要因と言われている訳でございますが、特に20歳代後半から30歳代前半女性の未婚率が大幅に上昇しておりまして、この事が少子化の大きな要因になっている訳でございます。晩婚化が進んだ背景の一つと致しましては、結婚につきましては以前は結婚して一人前とか、或は結婚するのが当り前といった社会的な圧力があった訳でございますが、今ではこういう風潮も弱まりまして価値観が変化する中で、結婚が家や親の為ではなく、個人中心的なものとして結婚の自由度が高まっていると言われている訳でございます。しかしながら、未婚男女の9割が自らの結婚についてはいづれは結婚したいというこのような意識調査もございまして、若い人の結婚願望は依然として高いものがある訳でございます。

又、平成10年の厚生白書では子供を生み育てる事に夢を持てる社会をというテーマで少子化問題を特集し、その中で戦後50年余の少子化をめぐる社会状況を分析してる訳でございます。

 

 

 

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