第5章 武家屋敷通りの建造物遺構
1. 調査家屋の概要
玖島城祉には、石塀・石垣については、よく残されているが、武家屋敷については、建て替えられて、残されているものが少ない。五小路の中で、最も武家屋敷が並んでいたというのが上小路であるが、第4章でも述べた既存調査では、殆ど当時の武家屋敷が残っているものは確認できなかった。わずかに、岩船には、旧楠本正隆屋敷や中尾元締訳屋敷などが残されており、今回も調査の対象とした。
調査は、前回の調査をもとに、明治から大正時代以前に建てられたと思われる建造物を13件選び、詳細調査を行った。石垣・石塀に囲まれた建造物が多いため、前回の調査でも未調査のものもあり、今回は大村市文化課の協力も得て、近隣の情報も集めた。調査家屋を表5-1にまとめる。