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3. 観光入込統計分析

観光入り込み客数の統計分析には二丈町だけでなく、それと比較するために福岡県全体と、玄海国定公園の領域を含んでいる市、町(以下、玄海国定公園)とを用いて比較分析を行った。玄海国定公園の領域を含んでいる市、町(平成12年1月1日現在)は、東側から芦屋町、岡垣町、玄海町、津屋崎町、福間町、古賀市、新宮町、志摩町、'前原市、二丈町の統計資料を用いた。ここで福岡市を含めなかったのは、入り込み客の形態が大きく違うこと、また数量的にも桁違いであり、影響が大きすぎるという理由からである。

参考資料としては、福岡県が作成している「福岡県入り込み客推計調査」を用いた。これは昭和51年から作成され始めたため、今回の分析もこの時期から約20年間を対象にしている。

ここ約二十年間の福岡県の観光入り込み数、消費額を見てみると、共に増加傾向にある。一方、玄海国定公園、二丈町を見てみると、横這いもしくは減少傾向にあると言えるだろう。これは福岡県に関しては、福岡市に引っ張られている形になっていると言える。これは福岡ドームやキャナルシティ博多、マリンワールド海の中道、マリゾン、ベイサイドプレス博多埠頭などを筆頭に順調な伸びを見せているからである。日帰り客の割合の多さが特徴的である。また福岡市だけで見ると、県外からの入り込みの割合が県内を上回っている。これが県全体の割合にも大きく影響している。一方、玄海国定公園、二丈町では県内からの割合が高い。入り込み客の目的を見ると、海水浴や初詣等、余暇のレクリエーションの対象地となっているためであると考えられる。しかしそれでも二丈町に関しては昭和50年代頃は県外からの割合も高かったと言えるだろう。これはその当時の日本全体の観光形態の志向、修学旅行の受け入れなどが要因であると考えられる。玄海国定公園、二丈町共に昭和51年頃は海水浴目的の訪問者の割合が多かったが、現在では割合、数共に落ち込んでいるのが分かる。これは二丈町の月別の入り込み数を見ても、夏場の入り込み数の落ち込みから顕著に表れている。

 

1] 年間観光客消費額比較

 

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図2-1 福岡県全域観光客消費額

 

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図2-2 二丈町観光客消費額

 

 

 

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