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2. 原型景観のCGを用いた復元

ここで言う原型景観とは、戦前以前のまだ人の手が現在ほど入っておらず、鳴き砂の浜として健全に維持されていた時期の姉子の浜一帯の地形景観を表す。

現在の地形景観と大きく違うところは、まず砂浜の幅である。塩田として造成され、現在馬場として利用されている所や、割烹旅館の敷地、パーキングなどの造成地が、当時は砂浜であったのはもちろんである。さらに現在の国道を越えて、結核療養所である「富士見台療養所」があった敷地のすぐ近くまで、砂丘状の砂浜が広がっていたということである。

またもう一つ大きく変わった景観要素としては、松林である。これは松の大きさや並び方によって二分類する事ができる。一つは大入地区の辺りから海岸沿いに鹿家まで続いていた松並木である。これは背丈も高く、大きな松が線状に並んで植えられていたものである。そしてもう一つは、現在の地元物産店「サンサンシー」のあたりから結核療養所、そしてホテルの敷地との三点を結ぶ一帯に広がる砂丘に群生していた、松林である。これは松一本の大きさはそれほど大きくもなく、背丈も低いものであったが、一帯に群生していた。そしてその中を県道がくぐるように敷かれていた。

 

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図1-11 三次元CG原型景観(砂丘と松林)

 

 

 

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