何が原因するのでしょう
摂食障害になる人の特徴は次のようなものがみられます。
まず第1は、完全主義的な性格をもっていることです。実現不可能なほどの高い基準をもっていて、そこに到達するために必死で努力します。しかも、この基準は客観的なものではなく、あくまでも主観的なフィーリングですから、第三者の助言や評価には耳を貸そうとはしないという傾向があります。
第2には、このような基準で生活していると、自分をあるがままに受け人れたり、自分についてこれでよいという確信がもてなくなり、自己嫌悪にさえ陥ることがあります。自分に対して否定的な態度をとります。
第3は、自分はどのような人間(女性)になりたいのかという明確なアイデンティティーをもつことができず、そこに混乱が生じていることです。とくに外見については、ファッション雑誌やテレビなどの影響で自分の求める理想を重ねるのでしょうが、それは非現実的なもので、拒食でもしない限りそこまで到達するのはとうてい無理と思われるようなものです。
最後は、気分障害で、特にうつ状態であることが多いのです。家族の誰かもそうであることがあります。
過食症や拒食症は、いずれにしても異常な食欲を体験していることが多いようです。
食欲のコントロール
では、食欲のメカニズムはどうなっているのでしょうか。
食欲をコントロールするのは間脳にある摂取中枢と呼ばれるところです。幼年期よりバラエティーに富んだ食べ物が選べるような食環境に置かれていると、脳に摂食に関する適切な情報がインプットされ、成長してからもバランスのとれた食事がとれるようになるということがわかっています。ところが、現代の子どもたちを取り巻く食生活の混乱はそれだけでも摂食障害が生じやすい環境がつくられてしまっているといえるでしょう。