日本財団 図書館


市は、こうした協議会の提案を受けて、平成9年(1997年)地元に基本方針を提示した。

現在、協議会は、市の基本方針を踏まえハード・ソフト両面で「構想」の実現化に取り組んでいる。具体的には、豊中駅前商業ビジョンの策定、不法駐輪やはみ出し看板の撤去、植栽などのまちの小さな改善運動、生ゴミの堆肥化による花いっぱい運動やリサイクル活動、介護事業者との提携によるデイサービス等をおこなっている。このように、活動拠点であるまちづくりセンターを活用しながら、幅の広い活動を進めているところである。

 

(2) 豊中駅前まちづくり構想の策定

豊中駅前まちづくり構想は、地元住民の主体的なまちづくり活動の取り組みの成果である(図2)。

 

全体構想図

015-1.gif

図2 まちづくり構想〜豊中駅前の将来像〜

 

構想を策定するために、協議会は、13回にもおよぶ公開討論会を開催した。それらの討論の内容は、大きくは、「交通問題」、「シニアハウス」、「まちの将来イメージ」、「公共駐車場」、の4つのテーマである。特にまちの「将来イメージ」については、「協議会エリア全体のイメージ」と「協議会エリアを3つに分けた地区イメージ」の2つの段階の討論会を開催した。さらに、専門家の意見も参考にしながら、構想を策定していった。

まちづくり構想は、北地区、中地区、南地区の3つの地区と阪急の高架化による新駅エリアの計4つの地区ごとに将来像が描かれ、提案されている(図3)。

 

015-2.gif

図3 まちづくり構想〜豊中駅前の将来像〜

 

北地区:一番街のモール化と街並みづくり、音楽の道の街並みづくり、都市型住居づくり、路地・辻広場づくり

中地区:三角地の一体開発、銀座通りモール化、大池小学校周辺の一体整備

南地区:能勢街道(歴史街道)の街並みづくり、駅南口の一体開発、高架側道沿いの街並みづくり、路地・辻広場づくり

構想では、それぞれの地区ごとに将来像実現のための活動目標を明記し、さらに、地元の役割と市の役割を明らかにしている。

 

(3) 専門部会の設置

こうして策定されたまちづくり構想の実現化に向けて、協議会組織のなかに専門部会が設置された。それぞれの部会がそれぞれの役割を果たし、より総合的なまちづくりへと展開できるよう工夫されている(図4)。

 

015-3.gif

図4 豊中駅前まちづくり協議会の組織図(平成11年度総会資料)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION