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30.2.2 それ以外のプロジェクトは、現行の、債務超過のため構造の厳密な遵守を目指すアプローチが採られるべきだという意見に与しており、このアプローチは、英国においては主として財産保全管理人の指名と競売においてうまく機能している。これはすなわち、当事者全員の利益に対してもっともよく貢献するのは、資格制限のある限定的な補償責任もしくは無制限の補償責任のいずれもただちに引き受けるという約束を強要されることなく、指名されて事業者の決定権を継承するために出資金を行使することを可能にする、よく確立された手続きに従うことだということである。

 

30.2.3 推奨されるアプローチは、【20.2 事業者のデフォルトの作為の終了】において推奨されたアプローチと密接な関係がある。この直接契約は、結果的に状況が悪化すれば(例えば、請求の発生がある)、これは事業者のデフォルト時に支払われるべき補償に反映されるという理解に立って、当局による終了および同章において概説された売却手続の実現の前に、優先債権者に対し、デフォルトの矯正および換金額を最大化する機会を与えることを推奨するものである。

 

30.3 推奨されるアプローチ

 

30.3.1 本章において推奨されるアプローチは、たとえ介入時であろうと、事業者と優先債権者とを区別する。優先債権者は、介入時に、いかなる補償責任であれ、これを引き受け支払いを行うとともに、違反を強制する対策を採ることに合意しなくてはならない。契約にもとづき違反の矯正を実行するにおいて、いくばくかの時間と柔軟性が与えられるべきである。しかしながら、事業者はつねに契約にもとづき補償責任を負ったままとなり、介入の期間中に新たな違反が発生するかぎりにおいて、終了は依然として起こる可能性がある。

 

30.3.2 契約にもとづく終了通知の問題の後、もしくはこれと同時に、当局は代理人に対し、終了通知を発効する。これは、優先債権者が介入しないと決定した場合に契約が終了を認められる期間が開始する契機となる。終了通知の発行から30日以内に、当局は代理人に対し、優先債権者により介入時に履行される補償責任についても通知しなくてはならない。優先債権者が介入を望んだ場合、履行されるべき補償責任は介入の発生を可能にするために、支払われなくてはならない。

 

30.3.3 終了通知が実際には発行されなかったが、その負債が満期を迎えるのを優先債権者が前倒しして返済を求めた場合、同様の手続が適用できる。これらの規定は、第3章(通知無しの終了)、第4章(代表)および第5章(b)において詳述されている。

 

 

 

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