9. 履行の監視
9.1 はじめに
9.1.1 サービスが要求される水準まで利用できるかどうか、これによって、一括請求の可能な最高額が決定する(【7. サービス提供の必要条件と利用可能性】を参照のこと)。かかる最高額の支払いは、サービス提供の履行の質について条件が付されている(【10.価格と支払方法】を参照のこと)。
9.1.2 したがって、契約においては以下が詳述されるべきである。
・ 必要とされる履行水準
・ 当局が、事業者履行をかかる履行水準に照らして監視できる方法
・ 事業者が要求された水準を満たさなかった場合の結果
9.2 履行レベルの設定
9.2.1 契約書では、技術革新およびリスクの最適な移転を促進するために、指定された投入(すなわち、いかにしてサービスが提供されるか)ではなく、むしろ産出の必要条件(すなわち、サービスに要求される基準)を介して、要求される履行水準を詳細に指定すべきである。
9.2.2 履行のレベルを設定するにあたり、当局は第一に、たとえば当局が慣れ親しんだものではなく、当局の要求するサービスの水準に注意を傾注すべきである。しかしながら、当局もしくは第三者がすでに同じ種類のサービスもしくはその一部を提供している場合であれば、それが事業者の入札した質と価格を当局が比較するための水準点となるだろう。
9.2.3 これに代わる方法としては、当局に同様の、もしくは類似したサービスを提供しているその他の業者の、比較測定のためのグループの平均的なレベルを参照して(たとえば、当局が多数の契約を様々な事業者に請け負わせている場合)、履行水準を定めることである。たとえば刑務所の場合、比較特定のためのグループは多数の類似の施設を含み、これらの施設におけるサービス提供者による履行水準が監視および比較されて、適当な水準点が得られる。
9.2.4 比較測定のためのグループとの対照によって水準点を決定する方法は、提供されるべきサービスが、それまでにその契約の履行監視制度が必要とする方法で測定されたことがない場合、とくに有効である。テストされたことのない履行測定システムは、履行を理由とする減額がその方法によって高すぎたり、低すぎたりする結果となるが、類似したサービスと比較することにより水準を設定する仕組みであれば、こうした問題を回避できる(【20.2.3 事業者による継続的違反を理由とする終了】を参照のこと)。